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2007年 12月 20日
病み上がりに何か粋な読書をと選んだのが本書である。
これは随分前に奨めてもらったまま手つかずにいた本で、 読了後には今まで読まずにいたことを後悔するような、 出会えて良かったと思えるような本となった。 静謐、という言葉があてはめられる作家がいるが、 この作者からは静謐とそれからある種の冷たさ (冷徹とか血の通わないという意味ではなく) が感じられ、その文章はまるで心地好い詩を読んでいるかのようだ。 星の王子様に通ずるものを感じながら その文章の美しさと題材のアンバランスに 不思議な錯覚を覚えて一気に読み終えることが出来た。 物語に何かしら不安定な土台を持たせながらも 最後までその感覚を貫き、 終焉に向かわせるというこの技には溜め息を覚えずにいられない。 スティル・ライフ 池澤 夏樹 / / 中央公論社 スコア選択:
by kako-dailylife
| 2007-12-20 00:50
| ブックレビュー
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